tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

地球の自然と人間との関係

2016年09月04日 17時45分13秒 | 環境
地球の自然と人間との関係
 前回、里山の思想に触れました。里山についての理解は、「里山の知恵」で述べたようなものと考えていますが、その背後にある考え方について、ちょっと示唆的な図がありますので、何らかのご参考までにと、載せてみました。

 この考え方の原型は「日本創造経営協会」の創始者である故薄衣佐吉氏が「生命のバランスシート」という形で残されたもので、人間と自然の関係を会計のバランスシート(B/S)に例えて表現したものと考えられています。

 氏は、複式簿記の発明者であるイタリアの修道僧ルカ・パチョリの研究者としても著名で、また日本の高度成長期に、もはや「労働」は、喜んで働く「喜働」であるべきだと「喜働経営学入門」を著されたことでも知られています。

 原型は左右の借方・貸方をそれぞれ上下に基盤部分(下)と具体的活動部分(上)に分けた4つの象限に分けた簡単なものでしたが、その後、創造経営協会の方々が中心になり、中身の項目を入れこの形にしたものです。(日本創造経営協会『日本学宗』参照)

 左上・第2象限が人間の具体的な活動で、自然の恵みに返礼をする、右上・第1象限はそれを受けた自然が豊かさを増し、それが、右下・第4象限の豊かな自然の蓄積(B/Sなら自己資本の充実)となり、左下・第3象限の人間生活のより良い基盤になる。その基盤の上で、右上・第一象限の豊かな自然への更なる働きかけが始まるという循環の形です。

 企業における資本蓄積が企業の新たな発展につながるように、豊な自然を創ることが地球生命の発展を支えるという循環が見えてくるのではないでしょうか。

 自然を大切にすれば第4象限(自己資本)は増加してB/Sは成長し、自然を収奪すれば、第4象限は枯渇しB/Sは縮小を余儀なくされる、正に里山の知恵、思想、哲学そのもののように思えます。

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